靴下が履けない!!ヘルニア重症期に困ったこと&解決法9選
この記事では、私の腰椎椎間板ヘルニアが一番重症だったころ、日常生活で困ったこととその解決法を紹介します。
ヘルニア発症直後の重症期は、なにをするのにも痛みが付きまとって辛い日々です。
ただ横になって痛みをやり過ごしている方も多いのではないでしょうか?
私も 2018 年の 9 月にヘルニアを発症しました。
その直後1年くらいは病院以外には外出をほとんどしない生活でしたが、それでも日常生活のなかで激痛が走る瞬間がたくさんありました。
Google 先生に相談しても「安静に」とか「腰に負担をかけないように」とか書いてあるだけで、マジで役に立ちません。
そんなこともう知ってるよ!!
そこで、過去に重症のヘルニアで 2 度動けなくなったことのある私が、
- 痛かった動作は何か
- どうしたら痛みが抑えられたか
- どうやっても痛かった動作
といったことを実体験から患者目線で解説してみます。
動作を変えるだけや、なにか道具を使うだけで解決できるものもあります。
困っている動作があれば、一度試してみてください。
ヘルニア由来の痛みから 2 度歩けなくなった
3 度の手術と 2 度の処置入院を経験
現在は在宅通関士を目指している
自分の経験から中〜重症のヘルニアの方へ向けて生活改善情報を発信中
当時どれくらいの症状だったか
前提条件として、当時の私のヘルニアの症状を紹介しておきます。
- 1人での外出はまず無理
- 何もしなくても右太ももが痛い
- 右膝から下に知覚麻痺あり
- 寝てると痛みは少しマシ
- 座るとこの世の終わりくらいの激痛
というような状態でした。
こんな状態でも日常生活は必要です。
ずっとベッドで寝たきりをしているわけにもいきません。
実体験から、少しでも痛みを減らすためにやっていた工夫をお伝えしていきます。
ヘルニア重症期に困ったこと & 解決法 9 選
基本的には脚のつけ根ではなく膝を曲げる、辛い動作は他に置き換えるか、さけるという考え方です。
動き方を変えたり、サポートのために道具を使うだけで解決できた動作も多いです。
特に辛かった動作と、その解決法を 9 つ紹介します。
- 靴下を履く
- 食事をする
- 歯磨き
- 洗顔
- 風呂に入る
- 横になる&起き上がる
- 寝返りをうつ
- 車に乗る
- 荷物を運ぶ
靴下を履く
ヘルニアを発症して 1 番困ったのが靴下を履く動作です。
靴は靴べらがあって助かったのですが、不定形な靴下はどうにもなりません。
そこで色々試したなかで有効だったのが、ベッドの中で寝たまま履く方法でした。
寝る前に枕元に靴下を用意しておきます
目が覚めたら膝を曲げて片足を腰の横に持ってきます
同じほうの手で足に靴下を履かせます
多くのヘルニア患者は腰や脚のつけ根を前向きに曲げるのが痛いです。
この方法だと、やや時間がかかりますが強い痛みは出ませんでした。
重症だけど、靴下を履く必要がある場合はこの方法がおすすめです。
中程度の症状で座ることはできる場合は、ソックスエイドという自助具があります。
寝たままより早く簡単で、かがみ込まなくても履けるので、症状にあわせて選んでください。
食事をする
食事も激痛のもとでした。
とにかく、椅子に座るのが恐怖でしかたありません。
座るのを諦めて、膝立ちで食事をするのが唯一の解決方法でした。
膝立ちも腰の痛みが完全に消せるわけではありませんが、座って食べるよりは100倍楽です。
家族にやや引かれましたが、気にしてる場合ではありませんでした。
膝が痛いので、なにか適当なクッションを敷いておくのがおすすめです。
歯磨き
歯磨きもキツかったです。
もともと、手に水を汲んでいたのですが、手の支えなく前屈みでうがいするのは無理でした。
まず、水はコップに汲むように変更、前屈みの体勢をとらないように膝立ちでうがいするとかなり楽になります。
洗顔
洗顔は歯磨き以上にハードルが高かったです。
どのようにしても痛いか、周りに水が飛び散るかの 2 択でした。
しかたなく洗顔は諦めて、顔拭きシートで拭きとるだけにしていました。
皮膚が弱い方は介護用のアルコールフリーのおしり拭きがおすすめです。
風呂に入る
入浴はバスタブに浸かったり、膝より低い椅子に座るなど、痛みの原因だらけです。
ヘルニアがひどい場合は、諦めてシャワーにするだけでかなり快適になります。
石鹸を使う場合は床に落とすと地獄が待っているので慎重に…。
痛みが引くまではボディーソープのほうが便利かもしれません。
横になる & 起き上がる
布団に入るときと起き上がるときも、激痛タイミングでした。
前提として、床に敷布団を敷くよりも、膝より高いベッドのほうが痛みを減らせます。
脚の付け根を曲げる角度を浅くできるからです。
もしヘルニアが重症なら、これを機会にベッドで寝るようにするのがおすすめです。
ここでは理学療法士に教えてもらった、ベッドを使った横になり方と起き上がり方を紹介します。
負担のかからない横になり方
ベッドに腰かけます
ベッドの天板を見ながらゆっくり体を倒します
このとき下半身には力を入れず、両手で体重を支えることを意識してください
完全に上半身がベッドに乗ったら、脚を曲げたままゆっくり引き上げます
最後に体を上に向けてから、脚を伸ばします
負担のかからない起き上がり方
脚を曲げて膝を立てます
降りたい側にゆっくり寝返りします
膝から下をベッドのフチから出します
ベッドの天板を見ながら両手で体を起こします
このとき下半身には力を入れず、両手で体重を支えることを意識してください
完全にベッドに座ります
寝返りをうつ
横になったり起き上がったりと同じくらいキツいのが、寝返りをうつことです。
これは、手すりのあるベッドに変えたらかなり解決しました。
寝返りの辛いところは、腰を浮かして体の位置を調整しないといけないところです。
手すりがあれば、掴んだ手の力で体の位置を調整できるので、かなり楽になります。
初回の手術のために入院した際、病院のベッドが手すり付きでとても助かりました。
家のベッドも手すり付きのものにしたところ、同じように腕の力で寝返りをサポートできるようになりました。
脚を曲げて寝返りをうちます
腕の力で手すりを押して体の位置を整えます
脚を伸ばします
車に乗る
個人的に車の座席は世界で 1 番腰に悪いと思っています。
理由は、座面が15°〜20°程度傾いているからです。
車に乗り込む際には、必ず太もものつけ根の角度が鋭角になるので地獄です。
しかも、これを解消しようと背もたれに体重をかけようとしても、歪な形状のせいで正しく座れません。
そこでおすすめなのが、三角の断面形状をしたシートクッションです。
車の座席の傾斜を打ち消すように置いて使います。
あとは背もたれをできるだけ垂直に近い角度にすれば、かなり楽に座れます。
ただし、急ブレーキをかけたときに体が前にずれやすかったり、天井が低い車種だと頭がぶつかってしまったりするので、ケースバイケースな対応が必要です。
荷物を運ぶ
たとえヘルニアでも荷物を運ばないといけないシチュエーションがあります。
重たいものを運ぶのは腰に負担をかける鉄板の動作です。
できるだけ避けるのが正解ですが、どうしても荷物を運ばないといけない場合の対策はあります。
それは、できるだけ分割して運ぶということです。
もちろん、どんな荷物でも分割できるわけではないですが、たとえば以下のような感じです。
カバンを2つに分ける
10kgのお米を2kgを5つに分ける
一回で持ち上げる重さをできるだけ軽くして、複数回に分けて運ぶということです。
かなり重症のヘルニアでも、数kg程度までなら問題がでないことが多いです。
自分が思うリミットに荷物の重さを合わせて複数回運ぶのをおすすめします。
おまけ:何をしても解決できなかったこと
おまけとして、どれだけ工夫しても解決できなかった困り事も紹介します。
以下の 3 つはどうやっても痛みの出ることだったので、諦めて覚悟を決めつつ動くほかありませんでした。
ただし、他人のサポートで解決するものもあり、誰かを頼れる場合はお願いしてみるのがおすすめです。
- 足の爪を切る
- 落としたものを拾う
- トイレに座る
足の爪を切る
足の爪を切るには、手が届く範囲かつ目視できる範囲に足がないといけません。
自分でやろうとすると、腰や脚の付け根を曲げずにその体勢を取るのは不可能でした。
痛みに耐えたとしても、そもそも腰に負担のかかる姿勢に変わりありません。
もし可能であれば誰かに切ってもらうのがおすすめです。
落としたものを拾う
何かを床に落としたときも、自分一人だとどうやっても痛みがでます。
100 均で買ったマジックハンドを試したこともありましたが、都合よく拾い上げられる形は限られます。
スマホや書類を落とした場合は絶望的です。
可能な限り誰かにお願いして拾ってもらいましょう。
トイレに座る
1 日に 1 度もトイレに座らないということはありませんが、座る動作自体が恐怖です。
しかし、こればっかりは他人の力を借りようが、解決策が見つけられませんでした。
とにかく覚悟を決める以外にありません。
どなたか解決策を見つけた方は教えていただけると嬉しいです。